光圏
山中律雄
第12回佐藤佐太郎短歌賞
第30回若山牧水賞
僧侶として身口意の調和を説く著者が、みずからの身に癌の宣告を受けた時、混乱と葛藤にこそ、生の実相を、その輝きを見たのは、歌人なるがゆえであった。茂吉、佐太郎の流れを今日に受け継ぎ、昇華した歌がここにある。
- 裏畑に実りて赤きミニトマト作も法もなく四つ五つ食ふ
- 朝顔の花を数へてゐる妻かわづかに下の顎うごかして
- いとけなき子らといへども金銭に話およべばいきいきとする
- 死の淵に日日過ごしゐて釈尊の教へさしたるものと思はず
- うちつけに闇のなかよりあらはれて蛾が街灯の光圏を飛ぶ
- 定価:3300円(税込)
- 判型:四六判判ハードカバー
- 頁数:208頁
- ISBN:978-4-86534-511-7
- 初版:2025年8月5日
- 発行:現代短歌社
- 発売:三本木書院
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